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中間発表会から3週間 [教育]

私の研究室では9月末に、独自に中間発表会を開催した。これは、学生たちの研究が遅々として進んでいない状況を打開するためと、企業に就職してからの仕事の進め方を習得してもらうためである。中間発表では、研究が世の中にもたらすインパクト、他研究とのベンチマーク、今年度末の具体的目標、解決すべき技術課題とそのためのアプローチ、そしてスケジュールを記した線表を発表するように学生たちに求めた。恐らく大学の研究室でこのような企業的な研究計画の発表を求める先生はあまりいないのではないだろうか。しかし、このようなプレゼンテーションは企業では日常茶飯事で行われており、学生たちも就職をしたならばすぐにでもこのような洗礼を受けることになるであろう。
これをやって気づいたこととして、学生の場合でも新入社員の場合でもそうなのであるが、ある目標を達成するために、それをより確実にしていく方法を知らないということである。研究の計画を線表に書かせると、ほぼ研究テーマ名と同じ名称のアクションアイテムを全期間に渡って1本線で矢印を引いているのである。例えば、「○○の小形化」という研究テーマであれば、「○○を小形化する」というアクション項目を10月から卒論を書く来年1月までかけて行うという1本線を引くのである。普通、こういうことを考える場合、「Aという手段で小形化が可能かどうかを検討する」、「Bという手段で小形化が可能かどうかを検討する」、「AとBの組み合わせが可能かどうかを検討する」・・・というように複雑な問題をいくつかの簡単な小項目の組み合わせに置き換えるということをするものである。
本人はこれで目標が達成できると思っているのだろうか?というか、どうやったらその目標を達成できるようになるか、そのやり方を知らないのである。これは、本人の能力の問題というよりも、それまで受けてきた学校教育の問題である。これまで彼らは、学校や家庭が用意してきた課題を要領よく短時間で捌いていく能力を求められ、それに習熟することで大学入試を突破してきたと言える。
ところが、複雑で困難な問題にどのように取り組むかは初めての体験である。こういう点から考えても、研究室に配属されての研究というのは非常に重要である。自分で、その問題に対する攻め方を考えることによってのみ、複雑な問題を解決していく能力が身につくと考えられる。我々教員も、ややもすれば研究でさえも教員のほうでお膳立てをしてしまい、学生がそのような能力を身に付けるチャンスを奪うようなことをしているのかもしれない。これは反省点であり、もっと学生に自分で考える能力を身に付けさせるようにしたいと思う。
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