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理工系の女子学生を求めて [教育]

大変嬉しいことに、学科の女子学生をPRするホームページが完成しました。
http://www.elec.ryukoku.ac.jp/special/rikojo/
以前から学科では議論になっていたのですが、私の大学でも理工学部は女子学生の数が少なく、その中でも電子情報学科はこれまで特に少なかったというのが実態でした。これから若年人口が減っていき、受験生を確保するために、男子学生は頭打ちであるのに対して、増加が見込める女子学生にたくさん来てほしいという意味もありますが、もっと重要な意味もあります。瀬田キャンパスライフ.png
私が研究を行っている携帯電話のユーザーの大半は女性です。これに対して、携帯電話の研究開発を行っているのは、大半が(たぶん90数パーセントが)男性です。一昔前の業務用の無線通信機の時代であれば仕方がないことかもしれませんが、これほど多くの女性が使っている携帯電話がほぼ男性だけの手で研究開発されているというのは本当に異様なことです。最近では、女性のお客様にたくさん購入してもらうためにデザイン的には女性の意見が多く取り入れられるようになりましたが、使い勝手や性能を決める内部の回路や部品の研究開発には女性は関わっていません。
是非多くの女子高生、女子中学生に理工に関心を持って頂き、今までとは少し違う女性の視点からの研究開発を進めてもらいたいものだと思います。ところで、女性が電子回路、特にマクスウェルの方程式に従う電波を敬遠?する理由としては、かなり論理的な思考が必要とされるという面があるからでしょうか。しかし、実は研究にとってもっと重要なのは繊細な感性なのです。
電波の中でも周波数が高いマイクロ波は、ちょっとした形状の違いが電気的な特性の大きな違いにつながります。また、形状がマイクロ波回路の特性を決めるため、見た目に美しい回路のほうが電気的特性が良いという性質があります。そのため、研究に必要なのは、道端に咲く小さな雑草の花を見て美しいと気が付くような感性なのです。そういう点は、芸術と研究は全く同じです。音楽や美術など多くの芸術の分野では女性が活躍していますので、きっと研究開発の分野でも活躍できることと思います。私自身も趣味で音楽をやっていますが、そのような感性は研究にとって非常に役立っていると思っています。是非、多くの女性にマイクロ波に対して関心を持ってもらいたいものです。

無線電力伝送の国際学会を主催して [研究]

無線電力伝送技術に関する国際学会を主催しました。この学会は、世界最大のエレクトロニクス関係の学会IEEEの中のマイクロ波分野の部会と、その関西支部、私の所属する大学が共催で行ったもので、私は技術プログラム委員長として会議の技術的な事務をやらせて頂きました。ヨーロッパ、アジア、アメリカなど世界6か国から約150名に参加して頂き、大盛況のうちに無事終了致しました。IWPT2012ポスター風景.jpg
最近、無線電力伝送は世界的にも非常に注目を浴びています。情報通信に関しては、ここ30年ほどの携帯電話の急速な普及によって、無線を使って移動しながら利用することができるようになり、世界中の人々の生活スタイルを大きく変えるインパクトがありました。しかし、電源・エネルギーに関しては、電源コードをコンセントに差し込まないといけない、或いは、バッテリーを搭載した携帯端末ではバッテリーの残量を気にしながら使用したり、バッテリーの交換・充電という課題が依然として残っていました。無線電力伝送技術はその課題を解決するものであり、携帯電話の充電を気にせず使えるようになったり、電気自動車も充電せずに日本列島の端から端まで走行できるようになります。すなわち、本当の意味での無線、移動が実現できるわけです。
IWPT2012学生発表.jpg私の研究室からは4件の発表を行いましたが、その内の2件は社会人ドクターの学生が発表しました。発表はもちろん英語です。自分の研究成果を評価してもらうためには世界に向けて英語で発表することが必須です。いろいろな人から質問・コメントをもらえて大変参考になったと思います。
技術は急速に進歩していますので、数年後には皆様のまわりに出現し、たぶん携帯電話と同じようにあっと言う間に世界中に普及していくことと思います。大学の研究が、社会の進歩のために役立つことを願っています。
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学生のマイクロ波フィルタ試作実験 [教育]

コムラインフィルタ.jpg私の学科では、2年生の実験科目として、小グループで行う個別テーマ実験というのをやっています。5人程度の小グループに分かれた2年生が3週間ずつ4グループほどやってきます。私が提供したテーマは、「マイクロ波フィルタ実験」。希望者が多数いたようですが、実験設備の関係から人数を絞ってもらいました。
相手は2年生ですから、専門科目の基礎勉強を始めたばかりのほとんど素人です。その2年生相手に、1回3時間、3回やって合計9時間で、マイクロ波フィルタを作って実験させるのですから、なかなか大変なものです。
1週目は、フィルタの理論、と言っても電気回路の基礎の復習から始めます。コイルとコンデンサで、ローパスフィルタやハイパスフィルタ、直列共振器や並列共振器を組むところからおさらいです。実験で作るのは、バンドパスフィルタという、もっと難しいフィルタです。通過周波数は2.4GHz。無線LANの周波数の電波だけを通すフィルタです。
これを金属の箱の中に実装した2本の金属棒で作ります。棒の長さや、棒の間の距離を0.1mm単位で制御すると、これがなんと高性能な電子部品として働くわけです。私自身、これを最初に作ったときは、その美しい特性と、それが緻密な理論でピタッと設計できることに感激しました。学生にも、是非その感激を味わってもらいたいと、このテーマを設定しています。
2週目にはシミュレータを用いて、学生たちが設計したフィルタが設計通りに動作するかを確認します。また、実験で使う測定器はネットワークアナライザという、学生たちには馴染みがないもの。それを使うためには、Sパラメータ、スミスチャートなどという難しい専門用語を理解しないといけません。通常の講義なら、学生たちは思わず眠ってしまうところです。しかし、最終週には自分が試作して実験しないといけないので、学生たちは真剣そのものです。
3週目は、いよいよ設計したフィルタを実際に製作します。ここで、学生君たちが苦労するのはハンダ付け。以前は、自分でラジオやオーディオアンプを作った学生が何人かはいたものですが、ほぼ全員がハンダ付けは初めての体験です。そして、最後は周波数調整ねじを回しての調整です。周波数調整と言っても簡単ではありません。最初は、フィルタ特性の形は全く崩れていて見る影もありませんが、周波数がきれいにあった時だけ富士山型をしたきれいなバンドパス特性が現れるのです。これは、何回見ても、感動します。コムラインフィルタ特性.jpg
今回も。5名全員がフィルタづくりに成功しました。学生たちにも、モノ作りの楽しさを十分に味わってもらえたようです。普段の座学の授業では嫌なことも、実際に自分が使うとなるとそれほど苦にもならず、また、何のために勉強するのかがわかるので、学習は非常に効果的です。
やはりこういった教育はマスプロ教育ではなく、非常に手間は掛かりますが、少人数での指導でないとうまくいかないようです。大学教育のあるべき姿を、この実験は的確に示唆しているような気がします。
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